2020年度第3回おきなわ世界塾 「学べるって幸せ!~カンボジアの学校を見てみよう~」

 第3回おきなわ世界塾
「学べるって幸せ!~カンボジアの学校を見てみよう~」


2020年度第3回おきなわ世界塾は、「学べるって幸せ!~カンボジアの学校を見てみよう~」をテーマに、NPO法人はちどりプロジェクト宮手恵代表に登壇いただき、カンボジアのプレイキション村での学校建設と運営、就学環境作りについてお話をしていただきました。

開催日時:2020年9月19日(土) 14:30~16:30
開催場所:オンライン
参加人数:12名(高校生~一般)

 

 【特別講話「カンボジアでの学校建設とモノづくり」】
今回は、「NPO法人はちどりプロジェクトの宮手恵代表にカンボジアのプレイキション村での学校建設を始めたきっかけや建設完了後の運営、子どもたちの就学環境作りを行うために始めたモノづくりと販売による生計向上等についてお話をして頂きました。

\ 国際協力とは無縁だった宮手さん /
ある日、「世界がもし100人の村だったら」という1冊の本との出会をきっかけに、自分に出来る事は何かないかと考え、2011年に任意団体「はちどりプロジェクト」を設立、カンボジアでの学校建設を決意したそうです。

 しかし設立した同年3月に東日本大震災が起こり、目の前の困っている人を助けるのが優先だと思い、東北のために活動したのが最初の活動だったとの事。そこで出会った支援の団体や東北支援で培った経験が今のカンボジアでの学校運営に活かされていると語ってくれました。

 東北で培った経験を活かし、プレイキション村(シェムリアップから北西70キロの農村)で「はちどりスクール」学校建設に取組みはじめ、日本からの旅人に声をかけたりボランティアを募集するなど総勢160人で学校を建てたそうです。なんと、そのボランティアの中には沖縄の方もいて、当日の世界塾にも参加して頂き当時の感想なども語ってもらいました。建設後はカンボジアの教育省に譲渡し現在は公立小学校です。
これで、教育の受けられなかった村でも当たり前に子どもたちが学校に通える!と心弾ませていた宮手さんでしたが、学校があるだけでは就学が出来ないという現実を目の当たりにし次の課題にぶつかったそうです。

\ 教育のためにお金を使う事を当たり前に /
村人と話をして作った学校でしたが、実際に学校が始まると子供たちが居ない。
裕福な村ではなかったので、家族は子供たちを連れてタイに出稼ぎに行ってしまっていたそうです。
「出稼ぎに行ってしまっては学校には通えない。子どもたちが学校に通える環境を作ろう」と、両親の働く場所(雇用を生み出す)を作ることを決意しプレイキション村に工房を建設し、カンボジアの綿と井戸水で漉いた紙づくりを始めたそうです。それと同時に、学校運営の信念をはちどりメンバーと話し合いを持ち続け、村人たちと共有し意識変化を続けたそうです。

 両親が子どものために“教育にお金を使うことを当たり前に”するために、ノートや鉛筆等のモノをあげずに、両親から文房具を買ってもらうようにしていったとの事です。今では両親が文房具を買うのが「当たり前」になったそうです。
現地で対応を頑張ったスタッフに拍手を送りたいと思いました。このように時間をかけ村人たちとの信頼関係や意識変化を図り、2016年には初の卒業生13名が誕生し、これまで総数53名が小学校を卒業し隣村の中学校まで通えるほどになったそうです。

 はちどりスクールを卒業した子ども達は、村から離れた中学校へ通うため、当初は自転車を通学用に寄付したそうですが「モノをあげ続けてはいけない」と、スタッフの間では議論を繰り返し、「自転車は親に買ってもらいなさい。どうしても難しい時は、はちどりに相談に来なさい」と村民の自立のに向けて、日々努めているそうです。
スタッフの根気強さに拍手ですよね。本当に凄いことだと思います。
 

      現地での宮手さんの活動の様子 

      現地での宮手さんの活動の様子

 【ワークショップ「ワールドカフェ」】
後半では、学びや講話から感じた事を深める時間としました。参加者が少人数のグループに分かれ、テーマ毎に意見を交換し、各々が感じた事を共有しました。様々な職種と年齢層だったこともあり、多様な考えや意見をシェアする事が出来ました。

\講話の感想/
最初は講話を聴いての感想共有をしました。「物をあげないという中からの選択肢を探す」の言葉が印象的だった人や、「今自分が出来る事はなんだろうかと改めて考えた」等の意見もあり、プレイキション村支援の想いに参加者それぞれ心の中にある国際協力等の情熱に改めて火が付いた様子でした。

\意見交換1回目、テーマ「直面した困難の私の乗り越え方/
このテーマについて各グループで話し合い、「助けを求める」等の仲間を頼る意見が出されました。宮手さんは、「困った時ほど口に出す」という事を大事にするとの事でした。これまでの何度かおきなわ世界塾の中でも「助けてコミュニケーション」について触れてきており、参加者の中でも「誰かを頼る」という人や「助けを求めるのが苦手」という人もいました。仕事や日常生活の中で困り事にぶつかるのは当たり前にありますが、その時に助け合う事が出来る信頼関係の重要性も改めて考える事が出来ました。

\意見交換2回目、テーマ「沖縄の教育にどんな変化が必要だろうか」/
2回目は沖縄に焦点を当てました。その中で印象的だったのは、「先生はやる事が多すぎて、今のままでは学校教育も限界がきていると思う。地域の人と学校の両方で子どもを育てる事が大切ではないか」という意見です。主に学校教育の話になりましたが、コロナウイルスによる社会変化の中で、「これまでと同じではいけない」という意見が多く上げられました。時間が足りず、まだまだ話足りない様子でもありましたが、将来教員を目指す参加学生には「日本の教育の課題」について考え、悩んでもらう事が出来ました。

\宮手さんの困難の乗り越え方/

 コロナ渦で先が見えない不安な状況で、沢山の困難に直面しても“あきらめない”、“口にする”そうすると共感してくれる人が集まり、困難を乗り越えられるとおっしゃっていました。また、今の時代はSNSで何処にいても共感する人と繋がることができるので、逆に困難を乗り越えやすい時代になってきているともおっしゃってました。

 コロナ渦で「当たり前」が当たり前でなくなっている日常を、知恵を出しながら乗り越えていくヒントが得られた会となりました。
講師の宮手さん、参加者の皆さまご参加ありがとうございました。
次回の世界塾は対面でお会いしたいと願いつつ、情報発信していきます。こうご期待!!

 

        

       ワークショップで様々な意見が生まれました

*****参加者からの声*****
・現場で活動している人の話を聞いてみたいと思って参加させていただきました。講話のなかで、心に響く言葉がたくさんあったのですが、『どの道を選ぶかではなく、選んだ道でどう生きるか。』この言葉がとても刺さりました。 (大学生・男性)

・未来を作るための教育支援、学校を続けるための就労支援と、現地で必要な支援を行なっていく姿勢がすごいと思いました。(参加者)

・「あげない選択肢の中から考える」と言う考え方に感銘を受けました。(国際協力団体・男性)

 

(執筆:小林)
 

ページの先頭に戻る